2025年4月更新 カンボジア不動産情報

カンボジア経済と不動産市場の最新動向

東南アジアでも屈指の成長エンジンと評されるカンボジアでは、

2025年の国内総生産(GDP)成長率が6.0%に達するとアジア開発銀行(ADB)は予測しています。​ADB

堅調な製造業と観光の回復に加え、対外直接投資の増加が不動産市場を力強く下支えしています。
プノンペンを中心に住宅・商業用の新規供給が続き、特に高層コンドミニアムは外国人投資家の需要を牽引しています。

カンボジア銀行

プノンペン注目エリア別投資魅力

首都プノンペンでは、中央区ダウンペン(Daun Penh)とチャムカーモン(Chamkarmon)区が依然として
土地価格の最高値を維持しています。​Realestate.com.kh

ダウンペンは官公庁や金融機関が集中し、賃貸需要が安定。
チャムカーモン区のボンケンコン1(BKK1)は高級飲食店やインターナショナルスクールが集まり、上質な居住ニーズが高いことから高利回りが見込めます。

一方、南部のメアトフィップ(Meanchey)やトゥールコーク(Tuol Kouk)はインフラ整備が進み、
将来のキャピタルゲインを狙う投資家が注目する成長エリアです。

インフラ整備が生むキャピタルゲインの可能性

2025年7月に正式開港予定のテチョー国際空港(TIA)は年間1,300万人の旅客処理能力を誇り、

プノンペン南部一帯の地価上昇を加速させると見込まれます。​AP NewsAirport Technology


空港アクセス道路や周辺工業団地の開発も同時進行しており、物流網の強化に伴う商業用地需要も高まっています。

加えて、シアヌークビル高速道路の全線開通や環状三号線の延伸計画が、市中心部と郊外を結ぶ導線を強固にし、不動産価値を底上げしています。

価格の魅力と域内比較

プノンペンの平均コンドミニアム価格は1平方メートル当たり約2,500米ドルとされ、

バンコクやホーチミンと比較しても圧倒的に手頃です。​Realestate.com.khOdom

同時に平均年間賃料利回りは5.3%と域内トップクラスを維持し、


インカムゲインと将来の値上がり益を同時に狙える稀有な市場環境が整っています。

高利回りを実現する投資モデル

BKK1で販売中のハイエンド物件を例に取ると、32㎡・販売価格7万8,000米ドル(約1,100万円)を年額賃料6%で運用した場合、

年間約4,680米ドル(約66万5,000円)の総収入が見込めます(管理費等控除前)。


USD建て家賃収入という通貨分散のメリットも享受できます。​CBRE Cambodia

購入手続きと法制度の安心感

カンボジアは区分所有権(ストラタタイトル)の導入により、
外国人でも建物の床面積の最大70%まで合法的に保有可能です。
登記はオンライン化が進み、名義変更は平均2~4週間。固定資産税は評価額の0.1%と低率で、取得時の印紙税率は4%に抑えられています。
2025年時点で資本移動規制もなく、家賃収入や売却代金を円滑に国外送金できます。

税務・ファイナンス面の優位性

個人投資家の課税所得に対する累進税率は0~20%ですが、不動産賃料収入は毎月の源泉税管理が容易で、
経費算入による節税余地も大きい点が魅力です。


法人スキームを利用すれば、建物の加速度償却と経費計上によってキャッシュフロー改善を図れます。
銀行融資は米ドル建て・最長25年、LTV 70%前後が一般的で、
日本国内融資と比べても競争力ある条件が提示されるケースが増えています。

リスク管理と出口戦略

市場拡大の裏側で供給過多リスクも指摘されていますが、中心部の完成在庫は消化が進み、
2024年後半には新規供給が前年同期比で減少しました。​Cambodia Investment Review


物件選定では①信頼できるデベロッパー、②管理品質、③周辺インフラ計画の三点を必ず精査し、
出口戦略として短期売却だけでなくサービスアパート運用やホテルライセンスへの転換も視野に入れることでリスクを低減できます。

成功事例から学ぶ投資の着眼点

海外居住の日本人投資家A氏は、2020年にチャムカーモン区で購入した45㎡のスタジオタイプを
月額1,100米ドルで賃貸し、購入から4年で総家賃収入5万2,800米ドルを実現しました。


市場価格は当初の13万米ドルから15万5,000米ドルに上昇し、賃料と値上がり益を含む総合利回りは年平均11.4%に達しています。
適切な物件選択と長期保有スタンスが高いリターンを支えた好例です。

今後5年間の成長ドライバー

  • 観光回復と新空港開港:2024年の訪問外国人は670万人とコロナ前を上回り、
    空港開業により2026年には1,000万人超を見込む。​AP News
  • 製造業の拡大:中国プラスワン需要を受け、バベット特別経済区などで電子部品・アパレルの新規工場が相次ぐ。
  • デジタル経済の台頭:フィンテックやEコマースの整備が若年層の購買力を底上げし、高品質住宅への需要を創出。

これら複合要素が不動産価格と賃料を中長期で押し上げる引き金となり、機関投資家の参入も加速する見通しです。

まとめ

カンボジア不動産市場は、堅調な経済成長、国際空港をはじめとする大規模インフラ整備、

アジア随一の高利回りという三拍子が揃った投資先です。首都プノンペンの中心部から将来性豊かな郊外まで、

多彩な選択肢が存在し、外国人でも透明性の高い制度下で資産形成を図れます。

インカムゲインとキャピタルゲインを同時に狙える好機を逃さず、長期視点で組み入れることで、

ポートフォリオ全体の安定性と収益性を高めることが可能です。